橋梁
アーチ橋の腐食した吊材の取替工事における張力管理モニタリング
- モニタリングの目的
- 1. 既設吊材の撤去時に、その軸力を管理し、張力を極力ゼロに近づけることで切断時の軸力開放による衝撃を低減し、施工時の安全性を確保する。
2. 既設吊材の負担軸力を定量的に確認し、新設吊材に既設と同等の軸力を導入する。 - モニタリングシステム
- モニタリングには、自立型無線式システムLIRIS OSが採用された。本センサシステムは、内臓バッテリーで稼働するため別途での電源確保が不要であり、吊材への設置にはネオジム磁石を使用するため容易に取り付け可能である。また、光ストランドセンサは長尺センサ(1m)であるため、吊材の平均的なひずみの計測が可能である。
- 結果・管理者のメリット
- 既設吊材撤去時の分担軸力をモニタリング結果より定量的に確認でき、架設時の軸力解放における安全性が向上した。また、取り替えた新設吊材への軸力導入の管理もモニタリング結果を用いて実施し、吊材の軸力が取替前後で数%以内の誤差に留まっていることが確認できた。
さらに、新設材への取替完了後、施工時設置したセンサをそのまま1カ月間程度遠隔モニタリングを継続し、変状がないことを確認した。
無線センサーを用いたことにより、非常に短い準備期間で容易にモニタリングが開始でき、施工工程に対するセンサー設置・撤去等も含めたモニタリングの影響はほどんどなかった。
OSMOSシステムの測定結果より、吊材の取替時の安全性向上と良好な軸力管理が実施された。
実績一覧をPDFでダウンロードできます。
随時更新しています。(最終更新日:2022年8月10日)