海外事例
モンブラン・トンネルの構造モニタリング
- モニタリングの目的
- このトンネルを利用する大型車両は、1日平均1721台におよび構造物の経年劣化の原因の一つとなる。トンネルの車線を支えるスラブにLIRIS光学ストランドを設置し、交通荷重によって発生する応力を測定する。
動的な測定に加え、静的な解析もモニタリングプロジェクトでは重要な要素である。静的データは1時間ごとに計測され、構造物の長期的な挙動を把握することができる。
温度を合わせて測定しているため、構造物の熱に対する変動を調査することも可能である。構造物の経年劣化の進行傾向を把握するために温度の影響に対する補正を行う。 - モニタリングシステム
- 車線の下には117本のLIRIS光学ストランドが設置されており、この構造物を継続的にモニタリングしている。
- 結果・管理者のメリット
- モンブラン・トンネルのモニタリング・プロジェクトは、予防保全ということに主眼をおいている。モニタリングの目的は、起こりうる構造的なリスクを予測し、必要に応じて対策を講じる。
構造物の挙動が大きく変化すれば、保全措置や補強工事の実施につながる可能性もある。モンブラン・トンネルの管理者は、積極的なアプローチを採用することで、構造物を安全に維持管理し最適なメンテナンス方針を導入していくことができる。
これまでの計測結果より、モンブラントンネルの構造的な挙動は非常に安定していると判断されている。2019年10月から2020年1月の間にテンションが大きく変化し、「注意を要する」と検知された箇所が1か所あった。この異常な測定値の原因は、換気立坑のコンクリート被膜が剥離し、道路下に敷設された光ケーブルに張力がかかったためと判明した。この問題後は、構造物の挙動は完全に安定しており、現在もモニタリングは継続されている。
実績一覧をPDFでダウンロードできます。
随時更新しています。(最終更新日:2022年8月10日)