トンネル
トンネル工事が交差する水路トンネル への影響モニタリング
概要
- 施工場所
- 静岡県
- 構造物
- 昭和初期に建設された直径約3mの工業用自家水力発電所用水路トンネル
水路トンネルの6m下を最大径9.5mの高速道路トンネルが交差する形で建設される。 - 実施時期
- 2001年~2003年
- モニタリングの目的
- モニタリングの目的
水路トンネルに影響を与えること無く道路トンネルの工事を安全に工事を進める。
(a) 水路トンネルと道路トンネルの離間距離は、6mと非常に近い。
(b) 水路トンネルは昭和の始めに建設された老朽化が進んだトンネルである。
(c) 水路トンネルの通水を止めるとオーナーである製紙会社の自家発電所が停止し、操業が停止する。
(d) 発電所が停止した場合、電力保障が要求される。
従って、通水を停止しないで水路トンネルの安全監視を行ないながら工事を進める。 - モニタリングシステム
- 高速道路トンネルの建設工事が水路トンネルへ及ぼす影響のモニタリング。
モニタリング項目
・ コンクリートのひずみ(OSMOS)
・ トンネルの沈下量(沈下計)
・ 建設監視所でリアルタイム監視
センサ設置場所
水路トンネル覆工コンクリート
建設道路トンネルの影響範囲に30センサー設置
常時発電用の水が流れている水路トンネルの覆工コンクリートにセンサを設置するためセンサに対する完全な防水処理が要求された。
・ 使用センサ
1m STセンサ 30本
上り線側:15本
下り線側:15本
・ 防水処理
覆工コンクリートにセンサーを設置後防水モルタル及びシリコン樹脂で防水
・ モニタリング
モニタリングは専用電話回線を使用し2km離れた建設工事管理事務所監視室で24時間リアルタイム監視を行なっている。 - 結果・管理者のメリット
- モニタリングは2001年4月5日より開始し、2003年6月末まで実施した。
・ モニタリング結果は、非常に小さな変化ではあるが水路トンネルに対する道路トンネルの建設工事の影響を確実に捕らえている。
・ 特に、2002年2月に実施した道路トンネル側からの地盤改良のための薬液注入工事の際は、センサが薬液の注入圧力による水路トンネル覆工コンクリートの変形をキャッチしたため水路トンネルを破損させること無く安全に工事を進めることができた。(水路トンネルの同じ場所に設置していた沈下計は薬液注入の影響をキャッチすることはできなかった。)
OSMOSシステムの採用により、水路トンネルの通水を止めることなく道路トンネルの建設工事を進めることができた。
実績一覧をPDFでダウンロードできます。
随時更新しています。(最終更新日:2022年8月10日)